ここは大阪府和泉市伯太町(いずみし はかたちょう)です。上の写真の池と森は丸笠山古墳(まるがさやまこふん)という、全長約95mの前方後円墳です。
某日、この丸笠山古墳の中へ入って探索してみました。
古墳内には、かなりボロボロに老朽化した謎の祠(ほこら)があって、立派な石の鳥居がそびえたつ神聖な空間となっていました。
ただ少し残念に思ったのは、古墳の中であるにもかかわらず不法投棄ゴミなどが散乱している場所もあるということです。
(撮影日 2020年2月)
橋みたいな入口から、丸笠山古墳の中へ入る。
丸笠山古墳は中へ入ることができる古墳なんですよ。入口は複数あるのですが、今回僕は南西のほうにある橋から中へ入ってみた。上の写真の坂道を下っていくと、丸笠山古墳へと繋がる橋があります。
ここが入口。
なんとなく「橋」って呼んでしまったが、実際は橋というよりも、無理やり土を盛って造られた「土手」みたいなかんじですね。
橋の東側には湿地が広がってます。
そして橋の西側には池が広がっている。
丸笠山古墳(まるがさやまこふん)
橋を渡ると、丸笠山古墳の石碑が現れます。丸笠山古墳の中に入ることができました。
さっきも言ったが入口は複数あって、この石碑の右側の細道からも入ることができちゃったりします。
老朽化が激しい謎の祠(ほこら)
古墳の中はこんなかんじ。そこらじゅうに大きな木が生い茂っている閑静な空間となってます。中へ入れる古墳は珍しいですね。
いきなり話は変わるが、大阪府に住んでいると古墳ってわりと身近な存在ですが、関西以外にお住いの方々には古墳ってあまり馴染みのない存在なんじゃなかろうか。古墳ってのは簡単にいうと、大昔の豪族や貴族とかのお墓でございます。いちぶ詳細不明の古墳もある。この丸笠山古墳は誰の墓なのかは知らない。
一部、木が全然生えてない広々な空間があり、不自然に2つの岩が鎮座していた。岩の表面には苔が生えており、うっすらとした緑色に変色しているぞ。なにか模様のようなものが彫られているが、なんなのか分からん。
そして岩の先には、かなり古びた神社が建っていた。
神社というより、祠(ほこら)といったほうがいいのだろうか。かなり老朽化しているように見える。
名称を示すものは周囲には見当たらない・・・・・・謎の祠やね。
周辺には朽ち果てた神具などが置かれている。鈴はちぎれてしまったのだろう。
まぁ、新しい鈴が付いているけどな。この祠で丸笠山古墳を拝むということなのだろう。
あと、よく見ると白いキツネの置物があるね。キツネと言えばお稲荷様。・・・・・・ってことは、ここが稲荷社である可能性も出てきたぞ!
屋根が特に深刻な老朽化やな。瓦(かわら)がところどころ剥がれて無くなっている。あんまり人が来ない場所なのだろうか・・・・・・この日、僕以外は誰もいなかったんだ。まぁ、この日は雨だからってものあるだろうけど。
全身レインコートの男が独り、古墳の中を徘徊している光景は、はたから見ると不審者そのものやな。
そびえたつ石の鳥居の先。不法投棄ゴミが散乱中
祠の反対側には、立派な石の鳥居がそびえたっていた。
鳥居の裏側。奥には先ほどの祠が見えるね。
鳥居の柱には文字が書かれている。上の写真1枚目は、ボロボロになりすぎて何て書いてあるのか分からない。しかし、2枚目の写真は余裕で読める。
「貞享第四丁卯歳 三月吉祥日 伯太村」(じょうきょうだいよんひのとうのとし さんがつきちじょうにち はかたむら)
・・・・・・って柱に書いてる。意味の分からん漢字ばかりで混乱するが、ネットで調べてみると、貞享第四丁卯歳っていうのは1687年のことで江戸時代にあたるらしい。現在ではこの地域は伯太町(はかたちょう)と呼ばれているが、昔は伯太村(はかたむら)って呼ばれていたということなのだろうか。情報が少なすぎて確証がもてない・・・。
鳥居の奥には道が続いていたので、行ってみることにした。倒木の下をくぐり抜けて行く。枯れ葉が多くて、めっちゃ滑る。
右手のほうに、大きな木が生えていた。もしかしたら御神木かもしれん。
御神木っぽい木の隣はポッカリと広い空間になっていたが、いかんせん不法投棄ゴミが散乱しまくっている始末でございます。これはいかんね。
貴重な文化財である古墳がこんなことになっちゃうなんて・・・・・・モノが溢れる現代ならではの弊害っすね。まず、不法投棄を平然と行う輩の心情が理解できない。
そういえば至るところに不法投棄禁止の看板が設置されていたわ。ちなみに丸笠山古墳が伯太神社の神域というのも、この看板によって知った。伯太神社とは、ここから数百メートル西にある神社です。行ってないから詳しいことは何も知らない。
古墳の頂上に行ってみた
再び祠のところに戻ってきた。よく見ると坂道があり、登れるように道が続いている。古墳の頂上へと続く道ですね。
滑りやすいので、気を付けながら頂上をめざす。まぁ標高10mほどですがね。
丸笠山古墳の頂上。木を伐採した形跡がある。そこらじゅうに丸太が転がっていたぞ。
頂上には、これといって興味をひかれるものはない。ただただ神域の上を徘徊しているという申し訳なさが募っただけでした。
・・・・・・・・・
今回、かる~く丸笠山古墳の中を探索してみました。
和泉市にある古墳ということで気になって来てみましたが、とくに有名なわけでもなく、地元の方々に出会うこともなかった。しかし実際に足を踏み入れてみると、老朽化しているとはいえ鳥居や祠があり、大昔からここが多くの人々に拝まれ続けてきたであろうという事実にふれることができました。
この日の天気も相まって、やや暗い雰囲気でしたが、神聖な場所であることには変わりないので、また和泉市を訪問する機会があれば再度寄ってみたいと思いました。