ここは大阪府堺市美原区にある広国神社(廣國神社・ひろくにじんじゃ)です。
この美原区の大保(だいほ)っていう地域は、平安時代末から室町時代始めあたりまで河内鋳物師(かわちいもじ)っていう鋳物技術者集団の本拠地であった。「鋳物発祥の地」なのです。
そんな河内鋳物師の中には初めて鋳造で鍋を造ることに成功した人たちもいて、廣國神社では鍋宮大明神として祀られてる。そして廣國神社には鋳物製大鍋がある。
(撮影日 2019年1月)
鋳物製大鍋 「ナベと背くらべ」
巨大な鍋があるのは廣國神社の鳥居をくぐって、すぐ右へ。
鋳物製大鍋(いものせい おおなべ)
これが鋳物製の巨大鍋でして、直径140cmあります。ちなみに鋳造(ちゅうぞう)ってのは高温の液体金属を型に流し込んで成形する技術のことね。
河内鋳物師たちは東大寺の大仏や鎌倉の大仏の鋳造にも参加していたといわれている鋳造のエリート集団。その本拠地にふさわしい出来栄えの鍋です。
「ナベと背くらべ」と看板に書かれてまして、大鍋の横にはデカいものさしもある。ちなみに大鍋の深さは65cmあるらしい。中華鍋ではないけど、これならチャーハン100人前くらい作れるんじゃないだろうか。この大鍋ほどデカいコンロが無いので実用性はあまりないけど、インパクトはなかなかのものです。
ぜひ興味がある方は廣國神社で参拝し、鋳物製大鍋と背くらべをしてみてください。
ちなみに、この近くには鍋宮大明神という石碑があったりもします。