ここは大阪府堺市西区にある津久野駅(つくのえき)です。この駅の裏手の道路上には、万年橋(まんねんはし)という昔の吊り橋がそのまま残されています。
(撮影日 2021年2月)
道路に橋がはえてる光景
万年橋があるのは、津久野駅の北西スグのところ。このような小さな三角形の公園があります。
この公園の名前は津久野万年橋緑地という。四方八方が車道で囲まれてて、ベンチが一個置いてあるだけの公園です。
そして公園のとなりに例の光景、これが万年橋です。わりと車が通ります。
まぁ、このように道路上に橋がある光景はさほど珍しいものではないはず。日本全国、探し回ればたくさんあると思うぞ、たぶん。
万年橋プレート↑
反対側から撮影。
この橋から西へ徒歩30秒くらいのところに石津川っていう河川があるのですが、昔はその石津川の流路がここにあったらしい。そして石津川が何度も氾濫するから、駅裏開発に合わせ治水工事し、川の軌道が修正され、万年橋だけを残したという。
万年橋が架かる以前は、氾濫のたびに木製の橋が流されていたが、昭和7年に、このアーチ型鉄筋コンクリート吊り橋である万年橋を架けたそうな。ちなみに万年橋という名称の橋は全国にいくつもあって、「万年でも長持ちしてほしい」という願いが名称の由来となっているようです。
公園の端っこにこのような石碑があって、万年橋の歴史ついて書いてたんですよ。
すごく読みづらい。
石碑には、この万年橋のところが川のカーブ地点だったということ、そして、あえて橋を残した理由は石津川を埋め立てて治水工事した事実(水害が頻発してた事実)を後世に残すためという意味合いのことが書かれていました。
現在の石津川↑
ちょうどこのあたりが治水工事によって、新しく流路を開拓した地点です。ご覧の通り、工事の甲斐あってか現在の石津川は平穏無事のご様子。・・・・・・とはいえ、近年でもこの付近で工事している姿を見かけるので、まだ完全には水害対策できていないものと思われますがね。
昔の石津川、万年橋付近のうねる流路(航空写真)
1936年~1942年頃の石津川↑(出典:国土地理院ウェブサイト)
すごく見えづらいですが、上の航空写真の中央に黒い十字線があるのが分かるかな? そこに万年橋が架かってます。くねくねと縦に大きく伸びている太線が石津川です。
白黒なので分かりにくいが、この頃の石津川はまだ治水工事前なので流路が大きく蛇行しており、万年橋付近でも氾濫が相次いでいたとのこと。もちろんここだけじゃなく、石津川水系じたいがカーブのオンパレードなので、他の地点でも水害は相次いでいたとのこと。
1988年~1990年頃の石津川↑(出典:国土地理院ウェブサイト)
さきほどと全く同じ場所の写真。縦に大きく伸びているグリーンの太線が石津川です。
上の航空写真は治水工事のあとなので、昔の蛇行した部分は埋め立てられているぞ。こちらの写真も中央に黒い十字線があるのですが、そこが万年橋の位置です。昔の写真と見比べてみると、かなり流路が軌道修正されている様子がうかがえる。