ここは大阪府大阪市西成区。松乃木大明神(まつのきだいみょうじん)という神社です。
ここには猫塚という石塚がある。その猫塚は、三味線に張られる猫の供養のためにできたため、三味線の胴の形をしているのです。
(撮影日 2019年2月)
猫塚
これが松乃木大明神です。その左側に猫塚がある。
猫塚
いちおう三味線の胴をモチーフにしているため、なかなか変わった形をしている。猫塚ってデカい文字で書いてるのですぐにわかる。
今では主流ではないと思うけど、ちょっと前までは三味線には猫の革が張られていたみたい。楽器製造のために猫を犠牲にするってのは現代の日本ではいささか問題アリな事案ですが、これも時代による価値観の差なのでしょう。そしてこの猫塚は三味線の原料として犠牲となった猫たちの供養のためのもの。
この松乃木大明神の少し南側は飛田新地・・・元々は遊郭だった地域です。ゆえに大昔から三味線という日本的な楽器は必須ということですな。この猫塚は遊芸関係者たちの拠金によってできたらしいから、大昔はこの一帯はかなり遊芸で賑わってたに違いないな。
猫塚と関係あるのかは知らんが、猫塚のお隣には近松門左衛門の碑があった。江戸時代の浄瑠璃の人ですね。猫塚よりも目立ってしまっているのは如何かと。
昭和っぽさの残る西成
松乃木大明神内には薬師如来なる祠もあり、その右側の柱には「放火にご注意」という文字が。なぜに放火に注意?・・・って思うかもしれませんが、この地域一帯は昔ながらの木造住宅が密集しているのです。
この下町レトロ感溢れる風景・・・これはこれでいいのですが、松乃木大明神は古い木造住宅に囲まれている。しかも消防車も入れないような細い路地が左方と正面の2本しかないうえに、路地を抜けた先はアーケード付きの商店街に出るという逃げにくい立地。
大阪市の消防車に小型タンク車が多いのはこういった細い路地が多いからなのでしょうな。ちなみに上の写真は、商店街から松乃木大明神へ行くための路地入口です。
この商店街・・・マジで酒の自販機が多い。路地入口には「小便するな」のプレートという、なかなかに昭和チックな西成でした。
酒の自販機が多いことの弊害やね。小便するなと言われ,、意識しだしたら余計にしたくなるのが人間の習性・・・そんな話を耳にしたことがあるぞ。酒を飲むのはいいですが、あまり無茶しないように。
まぁ、とりあえず松乃木大明神の猫塚を訪れる方は、商店街西側の「小便するな」の路地を曲がっていくといいよ。